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弊社では誠に勝手ながら下記の日程を年末年始休暇とさせていただきます。
■年末年始休暇期間
2025年12月27日(土)~2026年1月4日(日)
休暇期間中にいただきましたお問い合わせやメールについては、
2026年1月5日(月)以降に順次回答させていただきます。
ご不便をおかけしますが何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
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こんにちは、奥田です。ときどきお客様から
「補助金って返さないといけないんですか?」 「助成金が返さなくていいお金なんですよね?」
といったご質問をいただくことがあります。
名前からすると趣旨や制度まで一見似ていそうな補助金・助成金ですが、実は似て非なるものなのです。
今回はそんな補助金と助成金の違いから、補助金申請時の注意点までをまとめてみました。
こんな方向けの記事 …✔ 補助金と助成金の違いを整理して理解したい方
✔ 補助金や助成金の申請を考えている方
✔ 申請時の注意点を知っておきたい方
✔ 採択後の「こんなはずじゃなかった」を防ぎたい方補助金と助成金の考え方の違い
「補助金」と「助成金」は、どちらも国や自治体から支給されるお金という点では共通していますが、その仕組みや考え方には大きな違いがあります。ちなみに、冒頭の『返さなくてもいいお金か?』というご質問に回答するとすると、どちらも返さなくていいお金ではあります。※ただし、不正受給や要件未達成の場合の返還義務はあります。
しかし、何となく同じものだと考えていると、制度選びや申請準備の段階で思わぬつまずきにつながることも少なくありません。
そこでまずは、助成金と補助金の違いを押さえておきましょう。助成金 … 就業規則の整備や制度利用など、要件を満たした手続きを行えば必ず受給できる。※手続きには提出した計画実施の報告まで含まれることもある。
(例)雇用調整助成金、キャリアアップ助成金
補助金 … 要件を満たした申請手続きを行った後、
申請された中から複数の審査項目に沿った採点が行われ、優秀なものが採択される。
設備導入後も3~5年間をかけて事業実施していき、毎年報告が必要。
(例)ものづくり補助金、事業再構築補助金
上記のように、補助金は、申請が通れば終わりではないという性質が強いです。
特に、申請の段階では問題ないように見えても、あとになって「実はここが制約になっていた」「この選択が足かせになってしまった」と気づくケースも少なくありません。次の章では、申請時には見過ごされがちですが、後になって大きな問題になりやすい注意点を整理します。
補助金申請時の6つの注意点
■ 注意点①:必ず採択されるわけではない
補助金は、要件を満たして申請すれば必ず受給できる制度ではありません。
申請内容は審査・採点のうえで選別され、一定の採択率の中で結果が決まります。そのため、「補助金が入る前提」で事業計画や資金計画を組んでしまうと、不採択時に大きな影響が出る可能性があります。
POINT:補助金ありきで事業計画を組まないこと
■ 注意点②:立替払いが必要になる
補助金は、採択されたからといってすぐに入金されるわけではありません。
交付申請、設備導入、代金支払い、実績報告などの手続きを経て、すべて完了してから入金されます。そのため、建物や設備の代金は、相当期間、自己資金やつなぎ融資で立替える必要があります。
なお、支払方法は原則として銀行振込のみです。POINT:補助金の入金までは年単位の立替を想定する
■ 注意点③:雑収入になるため、会計上の処理に注意
補助金は原則として「雑収入」に該当し、法人税等の課税対象となります。
想定していなかった税負担が発生し、手元資金に影響するケースも少なくありません。補助金の内容によっては、圧縮記帳や特別償却などの制度を活用できる場合もあります。
検討段階、もしくは採択後できるだけ早いタイミングで、顧問の税理士・会計士へ相談することをおすすめします。POINT:検討段階から税理士・会計士への相談を
■ 注意点④:設備の発注時期に注意
補助金は、申請後に採択発表がありますが、この時点ではまだ設備の発注はできません。
また、導入を検討している設備がすでに決まっていたとしても、
申請をしたからといって、すぐに設備投資ができるわけではない点に注意が必要です。採択後、交付決定を受けて初めて発注が可能となります。
交付決定前に発注・契約・支払いを行うと、補助対象外となるため注意が必要です。POINT:採択されても、交付決定までは発注できない


■ 注意点⑤:1案件1補助金が原則
原則として、1つの事業(設備投資)に対して利用できる補助金は1つです。
同一の設備投資について、複数の補助金を重複して受給することはできません。例外的に、国の補助金と自治体の補助金を併用できるケースもありますが、非常に限定的で、事前確認が不可欠です。
POINT:1つの投資に使える補助金は原則1つ
■ 注意点⑥:複数の補助金を検討している場合は注意
一度補助金を受給すると、一定期間、同一補助金への再応募や他補助金への応募が制限される場合があります。
複数の投資計画がある場合は、「どの投資を、どの補助金で狙うのか」を事前に整理し、
中長期的な視点で判断することが重要です。POINT:単発ではなく、将来の投資計画も含めて補助金を選ぶ
まとめ:補助金は「採択後」まで見据えて考える
補助金・助成金は、「返さなくていいお金」という点だけを見ると魅力的に感じられがちですが、
実際には制度ごとに考え方やルールが大きく異なり、特に補助金は申請後も長く付き合っていく制度です。申請時の判断ひとつで、資金繰りや事業の進め方、会計処理にまで影響が及ぶこともあります。
だからこそ、「採択されるかどうか」だけでなく、採択された後まで見据えた準備が何より重要になります。今回ご紹介した注意点をあらかじめ知っておくだけでも、申請後に「こんなはずじゃなかった」と感じるリスクは大きく減らせます。
採択の可否だけにとらわれず、制度の違いを正しく理解し、事業の将来を見据えた、無理のない補助金活用を目指していきましょう。
株式会社フラッグシップ経営では、補助金の検討段階から申請・採択後の対応まで一貫したご支援も行っています。
ご不明点があれば、どうぞお気軽にご相談くださいませ。 -

22次ものづくり補助金の活用術
こんにちは。近藤です。本日は、ものづくり補助金についてご紹介をさせていただきます。
工場設備が古くなってきた、生産ラインの見直しをしたい。
そんな企業が増えている中、22次ものづくり補助金は
「単なる設備更新」 ではなく 「高付加価値化・革新的な製品づくり」 を目的とした補助金である点が重要です。よくある勘違いとして、「人手不足だから」「自動化したいから」
という理由だけでは採択されません。
それでは「省力化補助金」の領域になってしまいます。
ものづくり補助金は、
「利益を生み出せる新たな製品・サービスに進化できるか」
ここが審査の最大ポイントです。■ 採択されやすいポイントとは?
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新製品・新サービスの開発につながるか
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自社の強みを活かした差別化ができているか
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技術的な裏付け(特許・ノウハウ・生産ノウハウ など)があるか
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生産性向上だけでなく、収益モデルが描けているか
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数字で定量的に効果を示せているか
■ 活用事例イメージ

単なる入れ替えではなく
「設備を入れた結果、自社の価値がどう高まるか」
ここを語れないと不採択になるケースが増えています。■省力化補助金との違い

つまり、「強みを活かした進化」 がない設備投資は通らない。
逆に言えば、「まだ世に出ていない技術・組み合わせ・サービスの実現」
これが明確であれば採択の可能性は一気に高まります。■まとめ
22次ものづくり補助金は、
設備更新ではなく「新たな利益の源泉づくり」を支援する制度です。
「この投資で、何が変わり、何を生み出せるのか?」
ここが非常に重要になります。弊社では、補助金の計画書作成や申請、採択後のご支援を一貫して承っております。
補助金の活用をご検討されている方は、ぜひご相談ください。 -
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こんにちは、鮫島です。
ものづくり補助金の審査では、単なる設備導入ではなく
“高付加価値化につながる事業であること”が計画書で表現できているか
が、採択結果を左右する最重要ポイントです。この記事では、製造業の“高付加価値化”に関する経営課題の事例をご紹介し、高付加価値化とは何か整理し、計画書作成にお役立ていただくことを目的としております。
1. 高付加価値化とは「工程を短縮すること」ではない
製造業の事業者様で、高付加価値の意味を誤解されている方が多くいらっしゃいます。
・便利な設備を導入する
・生産が早くなる
・人時が減るこれだけでは高付加価値化ではなく「省力化」の内容となってしまいます。
審査では、製品・サービスが「革新的」であり、どのように「新たな価値」を生み出すのかを具体的に示すことが重要です。
単なるコストカットでは高付加価値とは言えません。2. 製造業の“高付加価値化の経営課題”で多いもの
高付加価値化を実現するとどのような経営課題が解決できるのかが、計画書に記載されていると審査員に響く良い計画内容となります。まずは製造業が高付加価値化に取り組む際に直面しがちな代表的な経営課題を知るところから始めてみましょう。
下記にものづくり補助金の計画書で見られる経営課題を整理し、まとめました。
■ 課題①:価格競争から抜け出せない
✔ 単価が上げられない
✔ 差別化要素が曖昧
✔ 顧客の要求に合わせすぎて利益が出ない■ 課題②:自社の価値が「加工技術」だけに偏っている
✔ 設計力・提案力が弱い
✔ 単なる“加工請負”になっている■ 課題③:製品の付加価値(高機能化)が追いつかない
✔ 精度・品質が競合と差別化できない
✔ 複雑加工の要求が高く対応できない■ 課題④:対応できる製品レンジが狭い
✔ 多品種少量の要求に対応できない
✔ 試作が遅く、受注機会を逃す3. ものづくり補助金で実現する高付加価値化の解決パターン
パターン①:高精度化による価値向上(単価UP型)
● 課題精度不足により高単価品の受注が取れない。
● 補助金での解決
高精度加工設備
画像検査機/三次元測定
温調設備
● 期待される付加価値
高単価品の新規受注
不良率低減による原価改善
顧客からの「品質保証力」評価向上
パターン②:多品種少量生産への対応強化(柔軟性価値UP型)
● 課題段取り替えが多い/試作に時間がかかる。
● 補助金での解決
段取りレス設備
自動段取り替え装置
マルチ加工機
CAD/CAMの強化
● 期待される付加価値
試作スピード向上で高付加価値領域に参入
顧客から“設計〜加工まで一貫対応”の評価
納期短縮による価格ではなくスピードでの選ばれ方
パターン③:内製化による品質・納期のコントロール力向上(一貫価値UP型)
● 課題外注が多く、品質・納期・コストが不安定。
● 補助金での解決
主要工程の内製化設備
印刷・塗装・木工・金属加工などの一貫設備
● 期待される付加価値
「外注依存の弱い体質」から脱却
顧客ニーズに合わせたオーダーメイド化
高付加価値サービス(短納期・高精度・一貫対応)が可能に
4. 審査で高評価される「高付加価値化の書き方」
ものづくり補助金では、設備導入による単なる効率化ではなく、「事業としてどれだけ付加価値を生み出せるようになるか」が評価の中心になります。審査員は、導入設備がどのように利益や競争力向上につながるのかを、数字とストーリーで論理的に読み取れるかを重視します。そのため、次のポイントを押さえて記述することが採択率向上につながります。
✔ 高単価製品の受注可能性(根拠が必要)
「高精度加工が可能になる」「新素材に対応できる」などの技術的向上だけでは不十分で、どの市場・どの顧客から・どの価格帯の案件が受注できるのかを具体的に示す必要があります。実際の顧客からの引き合い、展示会での要望、市場規模データを根拠にすると説得力が増します。
✔ 納期短縮 → 高付加価値生産への時間シフト
納期短縮は単なる省力化ではなく、「余剰時間を高付加価値案件に振り向ける」というロジックまで書くことで高評価になります。
例えば、「段取り時間を30%削減 → 試作案件の対応枠を月8件増やす → 高単価の試作案件で売上を引き上げる」といった、“時間の再配分”の説明が効果的です。✔ 外注費削減 → 利益率改善の具体的数値
外注から内製化への転換は、高付加価値化の典型的な評価ポイントです。
重要なのは、「外注費が年間いくら減るのか」「粗利率が何%上がるのか」を明確に示すこと。
また、品質の安定化や納期遵守率の向上など、内製化だからこそ提供できる価値を盛り込むと強い説得力になります。✔ 一貫体制による高品質提供ストーリー
設計・製造・組立・検査を一貫して行える体制は、顧客にとって大きな価値です。
「品質のバラつきが減る」「リードタイムが一気通貫で短縮される」「細かい仕様変更に即応できる」など、一貫体制がもたらす顧客メリットを描くことが重要です。
審査員は“事業としての強みがどれだけ明確になるか”を見ています。5.審査で最も重要なのは“因果関係を示すこと
審査員が求めているのは、「なぜその設備導入が、高付加価値化につながるのか?」という因果関係の説明です。
そのためには次の2点が不可欠です。
数字:削減時間・利益率・市場規模・受注見込みなどの根拠
ストーリー:設備 → 体制変化 → 提供価値 → 売上・利益への流れ
この2つが整っている計画書は、審査で確実に評価されます。
6.まとめ
「なぜその投資が高付加価値化につながるのか?」を第三者にもわかる形で論理的に説明することで、補助金は大きく採択に近づきます。
自社の強みと市場のニーズを踏まえた“高付加価値のストーリー設計”こそが、勝てる申請書の鍵となります。弊社では補助金申請の計画書作成のご相談やご支援を承っております。
計画作成の内容について専門家にアドバイスをもらいたい等、どのような内容でもお気軽にお問い合わせ下さい。
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こんにちは、吉川です。
11月28日に省力化補助金(一般型)第3回の採択発表がありました。
採択された事業者様、誠におめでとうございます。
当社の採択結果はこちら
今回は、省力化補助金(一般型)の採択された後の手続きについて、順を追ってご説明します。
STEP1 研修動画の視聴
採択後は、まず研修動画を視聴する必要があります。
動画は申請マイページから視聴ができます。視聴後は確認テストの受験が必須で、全問正解で合格となります。
不合格の場合は再受験となりますので、内容をしっかり確認してから臨んでください。STEP2 交付申請の資料準備
テストに合格したら、交付申請に必要な書類を準備します。
●必要資料(全事業者共通)
・研修動画の修了証
・本見積書
・相見積書
・見積依頼書(相見積分含む)
・賃金引上げ計画の表明書このほか、申請内容に応じて追加書類が必要になる場合があります。
詳細は「交付申請の手引き」を必ずご確認ください。なお、見積依頼書と賃金引上げ計画の表明書の指定様式は、省力化補助金のホームページよりダウンロードできます。
STEP3 交付申請の提出
書類がそろったら、申請マイページより交付申請を提出します。
交付申請は、
採択決定日から2か月以内(=2026年1月27日)を目安に行う必要があります。また、補助事業実施期間は採択発表から20か月以内に完了させなければなりません。
手続きが遅れると、その後のスケジュールにも影響が出るため、余裕をもって進めてください。表明書の作成ポイント
賃上げ引上げ計画の表明書は、応募申請時に設定した
「給与支給総額」と「1人当たり給与支給総額」の目標値を、
全従業員または従業員代表・役員に対して表明したことを示すものです。
指定様式の必要箇所を入力、押印して作成します。
事業計画期間・基準年度・目標値は、応募申請時に設定した年度を使用します。
ただし、事業計画期間は「補助事業完了予定日」によって変動するため注意が必要です。「交付申請の手引き」には、
「【事業計画期間】補助事業を完了した事業年度(事業者の決算年度)の翌年度を1年目としてください。」とういう記載があります。
■記入年度の考え方(例)
パターン①
・補助事業完了予定日:2027年7月27日
・決算期:12月
→事業完了の事業年度:2027年12月期
→その翌年度が1年目:2028年12月期パターン②
・補助事業完了予定日:2027年7月27日
・決算期:6月
→事業完了の事業年度:2028年6月期
→その翌年度が1年目:2029年6月期今回は、省力化補助金(一般型)の交付申請に向けた流れと注意点を整理しました。
提出期限を過ぎたり、見積書の不備があったりすると差戻しの原因になります。
スケジュールに余裕を持ち、丁寧に準備を進めるのがポイントです。
採択後の手続きで不安な点がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
省力化補助金ホームページ:https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/download/