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こんにちは、秋定です。
年度替わりが近づくこの時期は、補助金を活用した設備投資や事業展開を検討している企業にとって、特に注意が必要なタイミングです。理由としては、年度の切り替わりは補助金制度の運用や条件に変化が生じやすい時期だからです。
今回は、年度替わりを控えた現在、補助金においてどのような変化が起きているのか、特にものづくり補助金を中心に整理していきます。
年度替わりで起きている「ものづくり補助金」の変化
年度替わりが近づくこの時期は、補助金制度に変化が生じやすいタイミングです。直近のものづくり補助金である22次締切では、事業実施期間が従来の交付決定日から12カ月から短縮され、交付決定日から実績報告書提出期限である 2026.12.25(金)までとされております。また、23次締切次の公募回ではさらに短く設定される見込みとなっています。
このような事業実施期間の短縮は、今回に限った話ではなく、過去の年度末にも見受けられた流れです。年度をまたぐ時期は、制度運用が調整されやすい点を押さえておく必要があります。予算縮小と採択環境の変化に注意
事業実施期間が短縮される背景の一つとして、補助金予算の規模が影響していると考えられます。過去には、予算が絞られてきた局面で、事業実施期間の短縮とあわせて採択率が低下したケースもございました。
そのため、今後の公募では、事業内容の新規性や成長性だけでなく、限られた期間内で確実に実行できるかどうかといった実現可能性が、これまで以上に重視される可能性があります。今後予定されている補助金制度の統廃合
今後は、ものづくり補助金と新事業進出補助金が統合され、「新事業進出・ものづくり補助金(仮称)」として再編される方向性が示されています。制度が一本化されることで、補助金の位置づけや申請の考え方が変わる可能性もあります。
まとめ
年度替わりは、補助金制度における一つの分岐点です。事業実施期間の短縮、予算規模の変化、将来的な制度統廃合など、複数の変化が重なっています。
補助金を活用した投資を検討している場合は、現在の制度で動くべきか、次の制度を見据えて準備するべきかを冷静に見極め、早めに計画を整理しておくことが重要と言えるでしょう。
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こんにちは、市位です。
事業再構築補助金の事業化状況報告において、ご質問の多い項目のひとつが「収益納付」です。
本コラムでは、収益納付の考え方や発生有無の確認方法、実務上の注意点について分かりやすく解説します。
収益納付とは?
補助金を活用して行った事業が一定以上の利益を生んだ場合に、その一部を国へ返納する仕組みのことです。
補助金は国費を原資としているため、一定以上の利益が生じた場合には収益納付制度が設けられています。
なお、収益納付は必ず発生するものではありません。

一定以上とは?
一定以上とは、「B本年度収益額(補助事業で得た利益)」が、「C控除額(自己負担額)」を上回った状態を指します。
・「B本年度収益額」<「C控除額」の場合 →収益納付は発生しません。
・「B本年度収益額」>「C控除額」の場合 →収益納付が発生します。
※該当期の決算が赤字の場合は、納付は免除されます。
収益納付の確認方法
収益納付の有無は「G本年度収益額」の欄で確認することができます。
・「G本年度収益額」が0円の場合 →収益納付は不要です。
・「G本年度収益額」が1円以上の場合 →審査完了後、納付命令書が送付され、期日内の納付が必要となります。
「G本年度納付額」に表示されている金額が実際に納付する金額となります。
累積に注意
収益納付を考えるうえで特に注意したいのが、「B 本年度収益額」は単年度ではなく、累積で管理されるという点です。
※「B本年度納付額」がマイナスの場合は「0」となり、累積されません。
今年度は収益納付が発生しなくても、来年度・再来年度と収益が積み上がることで、将来的に収益納付が発生する可能性があります。
そのため、今年度の結果だけで判断せず、中長期的な収益状況を意識して管理することが重要です。
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こんにちは、土屋です。
2025年末、ついに中小企業成長加速化補助金・第2回公募要領が公表されました。
本補助金は、将来的に売上高100億円規模を目指す中小企業の大胆な投資を支援することを目的とした制度であり、近年の中小企業向け補助金の中でも特に規模・要件ともに大きな制度となっています。本コラムでは、制度の目的、申請要件、1次公募との違いを中心に整理します。
制度の目的と背景
制度の背景にあるのは、日本経済全体の大きな転換期です。
賃上げ率、国内投資ともに30年ぶりの高水準となり、経済にようやく変化の兆しが見え始めています。
一方で、多くの中小企業は物価高や人手不足といった厳しい経営環境に直面しています。このギャップを埋めるために国が目指しているのが、
中小企業全体の「稼ぐ力」の底上げと、地域にインパクトを与える成長企業の創出です。特に売上高100億円規模の企業は、
- 賃金水準が高い
- 輸出による外需獲得が期待できる
- サプライチェーンへの波及効果が大きい
といった特徴があり、地域経済に与える影響力が非常に大きい存在です。
中小企業成長加速化補助金は、「将来の売上高100億円企業」の創出を後押しする位置づけとなっています。主な申請要件
第2回公募における主な申請要件は以下のとおりです。
- 投資額が1億円以上(税抜)であること
- 100億宣言が申請時までにポータルサイト上で公表されていること
- 一定の賃上げ要件を満たす今後5年程度の事業計画を策定すること
- 日本国内で補助事業を実施すること
補助上限額は5億円、補助率は1/2となっており、
例えば10億円の投資を行う場合、最大5億円の補助金を受け取ることが可能です。1次公募の結果と全体傾向
1次公募の採択倍率は、約6.0倍とされおり、非常に競争の激しい結果となりました。
応募件数、投資規模ともに大きく、1次公募の段階で多くの予算が消化されたことから、本補助金への関心の高さがうかがえます。
第2回公募資料には、1次公募で採択された企業の
- 平均売上高成長率:26.4%
- 付加価値増加率:27.5%
といった参考データも掲載されており、今後の審査においても一定の目安となる可能性があります。
※1次公募における各種指標は以下のとおりです。

100億企業ポータル ー 二次公募の概要資料 より
1次公募との主な違い
変更点①:賃上げ要件の厳格化
1次公募では、
- 給与支給総額
- または 従業員・役員一人当たり給与支給総額
のどちらかで年平均成長率4.5%以上を達成すれば要件クリアでした。
しかし2次公募では、
- 従業員一人当たり給与支給総額 4.5%以上は必須
- さらに
- 給与支給総額
- または 従業員一人当たり給与支給総額
のいずれかにおいて目標値を設定し、達成すること
という二段構えの要件に変更されています。
さらに重要なのが、2次公募では「役員報酬」が計算対象外になっている点です。
従業員への賃上げをより重視する設計となっていることが分かります。
(賃上げ要件の詳細については、別記事にて後日解説をしたいと思います!)変更点②:審査項目に“経済安全保障”が追加
2次公募からは、
- 知的財産の保護
- 重要技術の流出防止
といった経済安全保障に関する取組が新たに審査項目に加わりました。
これにより、単なる設備投資の有無だけでなく、技術管理体制や情報管理体制についても一定の確認が行われ、「企業の成長が、日本の産業として守るべき価値があるか」という視点が加わったことを意味します。
事前準備の重要性
中小企業成長加速化補助金の特徴は、
- 100億宣言の事前公表
- 社長によるプレゼン審査
- 中長期の成長戦略
- 賃上げ計画の具体性
など、事前準備に圧倒的な時間と整理が必要な点です。
他の補助金と比較しても、申請までの準備期間が長くなりやすい制度であり、早めに情報収集と体制づくりを進めることが重要です。
まとめ
中小企業成長加速化補助金は、補助額が大きく注目度の高い制度である一方、
要件や審査内容を見ると、成長戦略や賃上げ計画の具体性が強く求められる補助金であることが分かります。今後の公募を検討される場合は、
- 自社の中長期ビジョン
- 投資の目的と効果
- 賃上げの実現可能性
といった点を早い段階で整理しておくことが、申請準備の第一歩となります。
弊社では、100億宣言の整理から、事業計画の構築、プレゼン対策まで一貫してサポートしています。
「申請対象になるのか分からない」「何から手をつければいいか分からない」
その様なご検討段階の事業者様からのご相談も受け付けております。
中小企業成長加速化補助金にご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。 -

補助金の申請において、事業計画書の内容に注力する企業は多い一方で、
『加点申請』について十分に理解しないまま申請を進めてしまうケースも少なくありません。
しかし実務の現場では、この加点申請を適切に活用できているかどうかが、採択結果を左右する一因になることもあります。本コラムでは、ものづくり補助金22次公募を例に、加点申請の基本的な考え方と注意点について解説します。
こんな方向けの記事 …✔ 補助金申請を考え中の方
✔ 補助金申請を有利に進めたい方
✔ 『加点申請』の重要性を知りたい方
✔ 『加点申請』の注意点を知っておきたい方1.補助金審査を有利に進める『加点申請』とは何か
加点申請とは、事業計画そのものの評価とは別に、
国の政策目的に沿った取り組みを行っている事業者であることを示すことで、審査上の加点を受けられる仕組みです。
加点は「取れればラッキーなおまけ」と誤解されがちですが、実際には審査項目の一部として制度設計されています。
同程度の事業計画が並んだ場合、加点の有無が結果を分けるケースも想定されます。以下の表は、ものづくり補助金サイトのデータポータルに掲載されている資料です。
棒グラフ:加点申請数の割合 折れ線グラフ:採択率の実績
このグラフから加点項目の数と採択率の関連性を読み解くと、
加点申請数は2個→1個→0個→3個の順に多くなっています。
5個以上の加点を申請している企業もありますが、件数が少なく数値の振れ幅が大きいため、ここでは考察対象から除外しています。
加点数ごとの採択率を比較すると、加点0個の場合の採択率は約33%にとどまる一方、
1個で約10ポイント、2個で約20ポイント採択率が上昇する傾向が見られます。
さらに、加点4個では採択率が約60%と、大きな差が生じています。
また、採択件数は加点2個が全体の約29%を占めており、加点0個(約14.5%)の約2倍となっています。
これらの結果から、事業計画書の内容が重要であることは前提としつつも、
加点申請が採択結果に与える影響は大きいといえます。
無理に加点を増やすのではなく、現実的に1~2個の加点を確実に取得することが、
採択に向けた有効な戦略と考えられます。
3.ものづくり補助金22次の主な加点項目一覧
加点申請では、「将来こうしたい」という計画ではなく、
すでに取得している認定や、国が定めた制度に基づく取り組み実績が評価対象となります。
例えば、ものづくり補助金22次公募における主な加点項目には、以下のようなものがあります。
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事業継続力強化計画の認定
- 経営革新計画の承認
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パートナーシップ構築宣言の登録
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えるぼし認定
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くるみん認定
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事業承継・M&A関連の取り組み
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賃上げに関する一定の取り組み
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※公募回により詳細要件や対象は異なるため、必ず最新の要領を確認する必要があります。
4.加点項目は「取れるものを取る」では危険な理由
獲得できそうな加点項目が多いからといって、無理に全てを狙うことが必ずしも有利とは限りません。
例えば、
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加点狙いの無理な賃上げ:短期的には加点を狙えても、経営負担が増し、事業運営に支障が出る恐れがあります。
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証明資料の準備が不十分:要件を満たせず、加点が認められない可能性があります。
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採択後の実績報告や継続要件を満たせない:実績報告や継続要件を満たせず、返還リスクや信頼性低下に繋がることがあります。
といった場合、かえって会社の持続的な運用に悪影響を及ぼす可能性もあります。
加点はあくまで事業計画の評価を補強する要素であり、主役ではない点に注意が必要です。
5.えるぼし・くるみん認定は要注意 ― 準備に時間がかかる加点項目
えるぼし認定やくるみん認定は、
女性活躍推進や子育て支援に積極的に取り組む企業を評価する制度です。
一方で、申請から認定までに一定の期間を要する点が大きな特徴です。
公募開始後に慌てて取得しようとしても、申請期限に間に合わないケースが多く見られます。
これらの認定は、「補助金のために取る」のではなく、
日頃からの人事制度・社内体制づくりの延長線上で取得しておくことが望ましいといえます。
6.採択を見据えた加点申請の考え方 ― 日頃からの体制づくりが重要
加点申請を有効に活用するためには、
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平時から取得可能な認定や計画を把握しておく
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補助金公募の有無に関わらず、好機を見て申請しておく
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自社の経営方針と整合する加点項目を選ぶ
といった視点が重要です。
補助金は突発的に公募されるものではなく、およそ3か月程度の周期で実施されます。
「公募が出てから動く」のではなく、「いつでも申請できる体制づくりをしておく」ことが、
結果として採択率向上につながります。
7.加点を活かして申請を有利に進めましょう
加点申請は、短期的なテクニックではなく、企業の経営姿勢や体制が問われる仕組みであると考えます。
特に、えるぼし・くるみん認定のように時間を要する加点項目は、補助金対策としてもなおのこと、中長期的な経営戦略の一環として捉えることが重要です。
加点申請に限らず、補助金を活用する機会は、自社の体制整備や将来投資を見直すきっかけにもなります。
こうした取り組みを通じて、補助金の本当の価値を引き出すことができるでしょう。
弊社では、補助金の計画書作成や申請支援に加え、
加点申請に関するお手続きのサポート、採択後のフォローまで、一貫した支援を行っております。
補助金の活用や経営体制の見直しをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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こんにちは、吉川です。
補助金は「採択されたら終わり」と思われがちですが、本当に大変なのは採択後の手続きです。
当社では、補助金が採択された事業者様から、日々さまざまなご相談をいただいています。
今回は、その中でも特に多い採択後のご相談をご紹介します。
これから補助金を活用される方は、ぜひ参考にしてください。
①「この見積書で通りますか?」
採択後、交付申請のタイミグで見積書に関するご相談は特に多く寄せられます。
【注意点】
・見積書の有効期限が切れている
・申請時の内容から変更がある
・「一式」表記のみで、詳細な内訳の記載がない
このような場合、見積書の不備により交付申請が差戻しになるケースは非常に多いです。
補助金によっては、交付申請時点で有効な見積書の提出が求められるため、
採択後はあらためて有効期限や記載内容を確認することが大切です。
【ポイント】
・交付申請時点で有効な見積書かどうかを確認する②「もう契約・発注しちゃったけど大丈夫ですか?」
原則、交付決定前の契約・発注・支払いは補助対象外となります。
採択=注文してOK、というわけではありません。
ただし、自治体補助金など一部の補助金では、採択=交付決定となっているケースもあります。
補助金の種類によって取り扱いが異なるため、必ず事前に確認するようにしましょう。
【ポイント】
・「交付決定通知書」が発行されてから契約・発注を行う③「手形で支払ってもいいですか?」
多くの補助金では、銀行振込のみが補助対象となっており、手形や現金支払いなど、指定外の方法で支払った場合は、補助対象外となる可能性があります。
一方で、自治体補助金などでは、クレジットカード払いなど他の支払い方法も認められる場合もあります。
こちらも補助金ごとにルールが異なるため、必ず事前に確認することが重要です。
【ポイント】
・支払いは銀行振込で行い、振込証明書を保管しておく。④「補助金は、いつ入金されますか?」
補助金は、すべての支払いが完了した後に、実績報告・審査が行われ、問題がなければ入金される流れとなっています。
そのため、設備代金などの費用は、一度事業者様で立替える必要があります。
入金まで数か月かかる場合もあるため、資金繰りを含めた事前の計画がとても大切です。
【ポイント】
・補助金はすぐに入金されない前提で計画を立てる⑤「計画から少し内容が変わりそうです」
採択後に
・導入設備の内容
・補助事業実施場所
などを自己判断で変更してしまうと、補助対象外となる可能性があります。
計画内容に変更が生じる場合は、必ず事前に事務局へご相談ください。
内容によっては、変更届の提出が必要となるケースもあります。
【ポイント】
・「少しの変更」でも、まずは相談補助金は、採択されたあとに正しく手続きを進めることがスムーズな交付につながる大切なポイントです。
「これって大丈夫かな?」と少しでも迷った場合は、自己判断せず、早めに専門家へ相談することが結果的に一番の近道になります。
当社では、補助金の申請支援だけでなく、採択後の手続きまで一貫してサポートしています。
採択後の手続きに不安がある方は、お気軽にご相談ください。