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こんにちは、湊です!
2026年2月6日(金)、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)」の第23次公募要領が発表されました。
ものづくり補助金は今夏、新事業進出補助金との統合が発表されておりますので、ものづくり補助金単体での公募はおそらくこれが最後になると思われます。
現行制度で最後の機会になりますので、これまでの公募で採択に至らなかった企業様や、新たに設備投資を検討されている経営者様はこの機会に是非ご検討いただければと思います。
また今回の公募要領では、賃上げ要件に関する重要な変更がございましたので、「前回(22次)と同じ感覚で準備を進めると、要件を満たせない」といったことにもなりかねませんので、本記事をご一読いただき23次公募への正しい準備を行っていただければと存じます。
それでは公募要領の中から、特に「22次公募からの変更点」に絞って、認定支援機関の視点で解説します。
1. 第23次公募のスケジュールと「GWの罠」
まずはスケジュールです。今回はゴールデンウィーク(GW)を挟む日程となっています。
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公募開始:2026年2月6日(金)
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電子申請受付:2026年4月3日(金)17:00~
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応募締切:2026年5月8日(金)17:00(厳守)
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採択発表:2026年8月上旬頃(予定)
締切は5月8日ですが、実務上、連休中はシステムトラブルへの対応や社内確認がストップします。「GW明けにやればいい」は命取りです。当社では、トラブル回避のために「4月末までの申請完了」を強く推奨いたします。
※申請には「GビズIDプライムアカウント」が必須です。未取得の方は、今すぐ手続きを開始してください。
2. 【最重要】「総額」から「1人あたり」へ。賃上げ要件の激変
第23次公募における最大の変更点であり、最大の壁。それが「基本要件(賃金の増加要件)」の厳格化です。
① 「1人あたり給与支給総額 3.5%増」への一本化
これまでの第22次公募では、「給与支給総額 年率2.0%増」といった目標設定でクリア可能でした。 しかし、第23次公募では以下の基準に統一されました。
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【第23次公募の必須要件】 従業員(非常勤を含む)1人あたり給与支給総額の年平均成長率を 3.5% 以上増加させること
これは極めて大きな変更です。 従来は「給与支給総額」での目標設定が可能だったため、従業員数を増やすことで総額を押し上げ、要件をクリアする(=1人あたりの賃金はそこまで上げない)という方法も理論上は可能でした。 しかし今回は「1人あたり」で「年率3.5%増」が求められます。これは実質的に、全社的なベースアップや高水準な定期昇給が必須であることを意味します。「とりあえず申請」レベルでは達成不可能な数字です。
② 「大幅な賃上げ特例」もハードル上昇
補助上限額を引き上げるための「大幅賃上げ特例」も、同様に基準が厳格化されています。
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第22次:給与支給総額 +4.0%(合計+6.0%)以上などの目標
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第23次:1人あたり給与支給総額 +2.5%(合計で年平均成長率+6.0%)以上 などの目標
こちらも「1人あたり」の指標が導入され、合計6.0%という極めて高い成長率を目指す必要があります。
③ 「賃上げ加点」項目の消滅
基本要件自体がこれほど高く引き上げられたことに伴い、従来の「給与支給総額アップ」による加点項目(賃上げ加点)が見当たらなくなっています。(※地域別・事業所内最低賃金の引上げ加点は継続)。 昨今、毎年の最低賃金の改定において60円前後の大幅な最低賃金引き上げが行われているように、「賃上げはやって当たり前」という国からの強いメッセージと言えます。
23次公募、賃上げにどのように対応していくか
23次公募は、過去の回と比べても賃上げ要件が厳しく設定されており、作成する計画書においても「計画の実現可能性」が大きく問われると思われます。
「とりあえず申請してみよう」という安易な計画は、「実現可能性なし」として審査員に見抜かれることになりかねませんので、しっかりと「やりたい事」や「想い」をもった計画を立てていく必要があります。
また、ものづくり補助金においては審査のポイントとなる「革新性」の定義を正しく理解し、公募要領に即した緻密な準備が必要です。
この投資を通じて「革新性のある製品・サービスの開発、提供」を実現していく上では、自社の目線だけだと差別化や付加価値を高める要素を表現しきれないケースが多いと感じています。計画書の作成に当たっては、補助金を通じて行う事業を客観的に理解、評価して新たな投資を「革新性」のある価値の高い取組みにしていく、サポーターの存在が極めて重要です。経営の実情に寄り添いつつ、賃上げの要件が達成できるような、事業計画を共に考えて行ければと考えておりますので、申請をご検討の方は是非一度、フラッグシップ経営にご相談いただければと存じます。
締切は5月8日ですが、質の高い事業計画書を練り上げるには、2月・3月の着手が理想的です。 「自社の投資内容が要件に合致するか確認したい」「賃上げのシミュレーションを相談したい」という経営者様は、ぜひお早めにご検討ください。
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こんにちは。近藤です。
今回は、省力化補助金の「省力化指数」についてポイントを整理しております。
省力化補助金を検討していると、必ず出てくるのが「省力化指数」という言葉です。
計画書を作成する段階で、「計算式は分かったけど、どう使ったらいいか分からない」
「数字は出したが、これで評価されるのか不安」と感じる方は少なくありません。
結論から言うと、省力化指数は数字そのものよりも、その背景にある説明が重要です。
省力化指数は「計算問題」ではない
省力化指数は、導入する設備やシステムによって
「どれだけ人の手作業が減るのか」
「業務時間がどれだけ削減されるのか」
を示す指標です。そのため、単に
「〇時間削減できます」
「〇人分の作業が減ります」
と書くだけでは不十分です。審査側が見ているのは、
その削減が本当に業務全体に効いているのか
という点です。計画書で求められる説明の視点
計画書では、次の流れで説明できているかが重要になります。
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現状の業務はどこに手間がかかっているのか
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なぜそこがボトルネックになっているのか
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導入設備によって、どの工程がどう変わるのか
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その結果、どの作業時間がどれだけ削減されるのか
つまり、省力化指数は業務改善ストーリーの結果として出てくる数字であり、
数字だけが単独で評価されるわけではありません。よくあるNG例
よくあるのが、
・作業時間の算出根拠があいまい
・実態とかけ離れた削減時間
・設備の性能説明だけで終わっているといったケースです。
これでは「省力化につながる投資なのか」が伝わらず、
評価が伸びにくくなってしまいます。なぜ一人で書くと難しいのか
経営者自身は日常業務をよく理解している一方で、
「当たり前すぎて説明していない」
「改善後の姿を前提に話してしまう」
というズレが起きやすくなります。その結果、
・説明が飛躍している
・審査側がイメージしにくい
といった計画書になりがちです。省力化指数は「翻訳」がカギ
省力化指数を計画書で説明する際に必要なのは、
現場の感覚を第三者にも分かる言葉に翻訳することです。業務内容を整理し、
審査側の目線で
「この投資は確かに省力化につながる」
と納得できる形に落とし込むことが重要です。省力化指数は、ただ計算すればよい指標ではありません。
どう説明するかで、評価が大きく変わる項目だからこそ、
計画書全体との整合性を意識して作り込む必要があります。ご相談ください
「省力化指数の計算はできたが、説明の仕方に不安がある」
「この内容で審査側に伝わるのか確認したい」
「自社の業務整理から一緒に見てほしい」このようなお悩みがありましたら、
計画書作成前の段階からでもお気軽にご相談ください。業務内容の整理から、省力化指数の考え方、
計画書全体のストーリー構成まで、
審査目線を意識した形で一緒に整理いたします。「まだ申請するか決めていない」
「まずは話を聞いてみたい」
という段階でも問題ありません。省力化補助金の活用をご検討中の方は、
お気軽にお問い合わせください。 -
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こんにちは、吉川です。
ものづくり補助金をご活用された事業者様の中には、そろそろ事業化状況報告の準備を進められている方も多いのではないでしょうか。
特に2月~3月にかけては、「提出期限が迫ってきた…!」と慌ただしくなる時期でもあります。
そんな中で、意外と見落とされやすいのが「賃上げ要件」です。
今回は、事業化状況報告が近づく今の時期だからこそ確認しておきたい「賃上げ」についてまとめます。ものづくり補助金の「賃上げ要件」とは?
ものづくり補助金では、申請時に設定した目標に基づき、一定の賃上げを行うことが求められます。
その中でも特に重要なポイントが、事業場内最低賃金です。補助事業終了後には、原則として事業場内最低賃金を「地域別最低賃金+30円以上」の水準まで、引き上げる必要があります。
※なお、19次締切以降の公募で採択された事業者様は、申請時に設定した目標値(「地域別最低賃金+○○円以上」)の水準まで、引き上げる必要があります。
ものづくり補助金では、この最低賃金要件が大きなチェックポイントとなります。
3月支給分の「賃金台帳」で確認されるため要注意!
事業化状況報告では、事業の進捗や成果だけでなく、賃上げ要件の達成状況についても確認されます。
その際、3月に支給する給与の賃金台帳をもとに、事業場内最低賃金が要件を満たしているかどうかが確認されます。
そのため、現時点で要件を満たしていない場合は、報告期限直前になって慌てることがないよう、早めの準備が必要です。※事業化状況報告時には、以下いずれかに該当する賃金台帳の提出が必須です。
ア)締日が3月1日~3月31日のもの
イ)支給日が3月1日~3月31日のもの
(2回目以降の報告では前年と同じ条件の賃金台帳の提出が必要となります。)
賃上げ要件が未達の場合はどうなる?
賃上げ要件が未達となった場合、状況によっては補助金の返還が求められる可能性があります。
報告直前になってから気付くと対応が難しくなることもあるため、早めの確認が重要です。今からできるチェックポイント
事業化状況報告に向けて、次の点を確認しておきましょう。
✔申請時の計画書に記載した賃上げ目標を再確認
✔事業場内最低賃金が「地域別最低賃金+30円以上」になっているか確認
✔パート、アルバイトの方の賃金も含めて確認
✔必要に応じて昇給や手当の調整を検討
特に、地域別最低賃金は毎年10月頃に見直しが行われるため、
「最新の最低賃金を基準に+30円を満たしているか」を改めて確認しておくことが大切です。
まとめ
ものづくり補助金の事業化状況報告が近づくこの時期は、事業の成果だけなく、賃上げ要件についても注意が必要です。
「まだ大丈夫」と思っていても、実際に確認してみると不足しているケースもありますので、早めに賃金水準を確認し、必要に応じて準備を進めておきましょう。
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中小企業省力化投資補助金(カタログ型)の採択実績を更新しました。
採択実績はこちらから -

こんにちは、田邉です。
はじめに
前回のコラムでは、弊社・秋定が、今後、ものづくり補助金と新事業進出補助金が統合され、
「新事業進出・ものづくり補助金(仮称)」として再編される可能性が示されている点にも触れました。制度が一本化される場合、補助金の位置づけや、申請時に求められる考え方が変わる可能性は否定できません。
そうした状況を踏まえると、3月26日(木)期限の申請を迷われている方こそ、
現行制度としての新事業進出補助金の特徴をあらためて整理し、「今、検討すべき制度なのか」を見極めることが重要だといえます。本コラムでは、制度統合の可能性を視野に入れつつ、
- 新事業進出補助金がどのような位置づけの制度なのか
- そして3次公募をどのように捉えるべきか
について整理します。
新事業進出補助金の制度的な位置づけ
新事業進出補助金は、中小企業の成長投資・生産性向上・賃上げを目的とした制度です。
特に、次の点が大きな特徴として挙げられます。〇新市場・新分野への進出が前提
「新しい設備を入れる」だけでは足りず、誰に・何を売る事業なのかが明確に求められます。
〇異なる収益構造・顧客層
既存事業の延長ではなく、ビジネスモデルそのものの変化が前提となります。
〇建物費が補助対象に含まれる
多くの補助金では対象外となる「建物の建設・改修」が含まれており、物理的な事業基盤を新たに構築する投資を後押しする制度です。
〇補助額・投資規模が大きい
大型投資を想定した制度設計となっており、他の補助金では代替しにくい特徴を持っています。
これらの点から分かる通り、
新事業進出補助金は、既存事業の高度化や効率化を主目的とする「ものづくり補助金」とは、制度の思想そのものが異なります。そのため、今後制度が統合された場合、
- 補助額
- 投資規模
- 建物費が対象となる点
など、新事業進出補助金ならではの強みが弱まる可能性も考えられます。
なぜ「統合前だからこそ」検討すべきなのか
新事業進出補助金は、
- 高額な補助
- 建物費を含む投資
- 新事業に特化した制度設計
という点で、現在の補助金制度の中でも特異な位置づけにあります。
今後、補助金制度が統合・再編される場合、こうした特徴がそのまま維持されるとは限りません。
だからこそ、「次も同じような制度が出るだろう」と考えるのではなく、現行制度として存在している今のうちに、自社が本当に該当するかを検討しておくことが重要です。
まとめ
新事業進出補助金〈3次公募〉は、単に「補助額が大きい制度」ではありません。
- 新市場への進出
- 事業構造の転換
- 建物を含む大規模投資
こうした要素が揃った企業にとって、他の補助金では代替しにくい制度である一方、準備や検討が不十分なままでは、活用が難しい制度でもあります。
制度統合の可能性が示されている今こそ、「この補助金を使うべき企業なのか」を冷静に見極めるタイミングだといえるでしょう。