2022年9月
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こんにちは、フラッグシップ経営の橋本です。
事業再構築補助金に注目が集まる現在ですが、実はものづくり補助金が熱いのではないかと個人的に考えております。
確かに、事業者様にとって賃上げの要件もなく、補助金額も高い事業再構築補助金は魅力的かと思いますが採択率は全国平均を見ると採択率が50%を超えていた公募回がありません。
一方で、事業再構築補助金に申請者が流れたことにより、ものづくり補助金の採択率は高まっています。弊社では、ものづくり補助金の採択率は安定して8割程を誇っており、案件によって受注を断ったりしていないことや申請件数の多さを鑑みるとかなり高い採択率を実現しているかと思います。
そんな、ものづくり補助金ですが、先日「補助金の利用は検討しているが、なかなか動けていない。」という事業者様がいらっしゃいました。
そこで今回は、今更聞けないものづくり補助金の基本というテーマで制度のご紹介をさせていただきます。
<目次>
①補助金利用に関する注意点
1、補助金と助成金の違い
補助金と似た言葉として、助成金が挙げられます。実際に混同されている事業者様もいらっしゃいます。助成金は要件を満たし、申請を行えば必ずもらえるものとなっておりますが、補助金は申請を行った上で審査員による判断があり、優秀なものが採択されます。こちらが補助金と助成金の大きな違いであり、専門家を活用する理由もこの点にあります。
2、資金について
次に、補助金の入金までには期間があくため、一時的に費用の全額をご負担していただく必要がございます。この際、資金の準備は自己資金でも借入でも問題ありません。補助金が入金されるまでのスケジュールについては後述させていただきます。
3、入金時の注意点
最後に、補助金は税金により支出される制度ですが、入金されると利益という扱いになり、課税対象となってしまいます。税金を投入し、それに対して課税するとは不思議な制度だと感じますが、しっかりと節税方法も用意されています。方法としては圧縮記帳や一括償却が挙げられますが、こちらは事前に税理士様とご相談いただくのが良いかと思います。
②ものづくり補助金の特徴である賃上げ
事業再構築補助金を利用される理由の一つに賃金の引上げ要件があるかと思います。ここからは、その2種類の賃上げ要件についてご紹介させていただきます。
1、最低賃金要件
一つ目の賃上げ要件について、事業実施場所(≒社内)の最低賃金を地域の最低賃金より高めておく必要があります。
【最低賃金の引上げイメージ ※最低賃金+30円(加点なし)を選択した場合】
最低賃金は毎年増加させる必要はなく、地域の最低賃金に更新があった際に都度都度、行っていくものとなります。よくあるご質問としまして「最低賃金はいつから上げる必要があるのか」というご質問をいただきますが、採択を受けた後、早めに行っていただくことをお勧めしております。確認は毎年3月時点となりますので、それまでには必ず上げておく必要がございます。
2、給与支給総額要件
二つ目の賃上げ要件としましては、給与支給総額の増加が求められます。給与支給総額とは下記の式により算出される金額のことを指します。
給与支給総額=役員報酬+給与+雑給+賞与【給与支給総額の引上げイメージ ※年率平均2%(加点あり)を選択した場合】
ここで、表の上部に「加点あり」もしくは「加点なし」と記載があることに気が付いた方もいらっしゃるかと思います。賃上げは必須の水準と加点がもらえる水準があり、採択の為にはどれだけ加点を獲得できるかが大きく関わってきます。加点がもらえる賃上げは下記の表の通りとなっております。こちらは色ごとにワンセットとご理解ください。②の場合、賃上げは2%、最低賃金は+60円がセットの賃上げ要件となります。
【賃上げの水準について】
③補助金申請から入金までのスケジュール
一度、資金を立て替えていただく必要があるというお話は①-2でご紹介させていただきました。採択から入金までの流れとしましては上記の通り、補助金の入金までは最大12か月程要します。ただし、申請を早く行えばその分、早く入金されますので6~9か月程要するとお考えいただくと良いかと思います。
④補助金はいくらもらえるのか
最後に最も気になる補助金の金額ですが、従業員数や申請する枠によっても異なります。
1、補助率
小規模事業者の方は投資設備額(税抜き)の2/3。
中小企業の方は投資設備額(税抜き)の1/2(その他の枠では2/3)。
2、補助上限
従業員数5名以下は750万円
従業員数20名以下は1,000万円
従業員数21名以上は1,250万円
※グリーン枠、グローバル展開枠は上記と異なります。
本稿では今更聞けないものづくり補助金の基本という内容で記事を書かせていただきましたが是非、事業再構築補助金に注目が集まる今だからこそ、ものづくり補助金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。 -
こんにちは、フラッグシップ経営の江口です。
9月15日に事業再構築補助金6次公募の採択発表がありました。採択後の流れについては前回のコラムでご説明させていただきましたが、今回は申請にあたっての注意点を最新の状況とともにご説明させていただきます。
補助金の「採択」とは
補助金の採択は、残念ながら記載されているすべての内容についてOKが出たということではありません。
計画の大筋について、「このような趣旨の取組を実施する」ことに関してのOKという程度です。
そのため、実際に設備を購入したりサービスを契約する直前の段階になって、「計画の大筋はOKだけど、見積書のこの部分については補助金の対象外です」と事務局から指摘を受けるケースがあります。 どのような点に注意すれば事前に防げるのか、事務局が公開している「交付申請にあたっての注意点」から見ていきます。よくある注意点
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- ■事前着手を申請している場合
(交付決定前に契約や購入をする場合には、内容精査の前に「先に契約・購入します」という報告=事前着手申請をする必要があります。
しかし、事前着手申請に承認が下りたからと言ってこちらも内容が全てOKという意味ではありません。採択結果が出る前に申請することも可能ですが、あくまで「先に買う」という報告だけですので、補助金が採択される、内容や金額が全てOKである、というわけではないため注意が必要です。-
- ■見積書について
目的が不明である項目がある場合、他の項目と重複している場合は補助金交付の対象外と言われるケースがあります。
見積先事業者の方としっかり連携を取り、使途がわかる、名目上重複のない項目で記載する必要があります。
補助金に慣れている事業者の方は、申請上分かりやすい見積書を作成してくださる場合があるので、経験があるか一度確認を取ってみても良いかもしれません。-
- ■相見積書について
相見積書は設備を妥当な金額で購入しているかの証拠書類です。補助金は公的資金で賄われており、理由もなく高価な事業者から購入することはできません。
そこで、新品は2社、中古品は3社から同じ設備の見積を取り、合理的な(≒最も安価な)価格の事業者から購入する必要があります。
相見積書は完全に同じ製品であることを示すため、各細目の名称、部品やオプションまで完全に同一でないといけません。
例外的に、「業者選定理由書」を添付し、相見積もりが取得できない合理的な理由を記載すれば1社のみで良いことにはなっていますが、こちらはなかなかハードルが高いです。
商習慣である、アフターフォローが良いなどの理由では認められず、体感的にはあまり認められるケースがない印象です。交付申請は早めの対応を!
このように様々な注意点がありますが、基本的には補助金交付を前向きに進めていくための手続きです。
そのため交付申請後は都度事務局から連絡があり、修正を依頼されるので、その修正に従い書類を提出すれば手続きが出来るかと思います。
ただし、建物を新築する場合や経費の内容が大きく変わる場合などは内容の確認に時間がかかるため、契約や購入するまでに2~3か月かかるケースも出ています。
書類を読み解くのも大変ですが、なんとか手を付ければその後は指示がもらえるため、早めに対応しておくのが良いでしょう。 -
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事業再構築補助金(第6回)の採択実績を更新しました。
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ものづくり補助金12次締切分(令和4年10月24日締切)の申請支援を開始しました。
申請をご検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。
ものづくり補助金の申請には、GビズIDプライムアカウントが必要になります。
取得がまだの方は、下記専用サイトからご登録ください。
https://gbiz-id.go.jp/app/rep/reg/apply/show
過去に採択されました企業様の支援実績はこちらからご覧いただけます。
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こんにちは、フラッグシップ経営の秋定です。
9月15日に事業再構築補助金6次公募の採択発表があり、15,340者の応募の中7,669者の方が採択され、採択率49.99%とこれまでで最も高い採択率となりました。
採択されました事業者様は、改めておめでとうございます。
弊社でご支援させていただいた事業者様からも喜びや安堵の声をいただいております。
ですが、補助金は採択されてからが本番です。下図の通り、採択から補助金入金まで様々な手続きがございます。
今後は、交付申請を進めていただく必要がございます。
事業再構築補助金の交付申請期限は明確に定められていません。
しかし、交付申請・交付決定が行われないと補助金入金の請求を行うことができないため、速やかに申請をすることが重要です。
事業を実施期間する期間は、以下の通りです。
【通常枠】【緊急事態宣言特別枠】
交付決定日~12 か月以内(ただし、採択発表日から14 か月後の日まで)【卒業枠】【グローバルV字回復枠】
交付決定日~14か月以内(ただし、採択発表日から16か月後の日まで)また、交付申請は一発で通ることはほとんどなく、事務局と何度か修正のやりとりをして、交付決定が出る流れとなります。
目安ですが、早くても交付申請から交付決定まで1~2ヶ月くらいかかる印象です。次に、交付申請で必要となる書資料を下記させていただきます。
■全社共通
①交付申請書別紙1
→電子申請ページからログインしてダウンロード②履歴事項全部証明書【法人の場合】
→交付申請書提出日より過去3か月以内に発行されたもの、かつすべてのページの添付③ 決算書【法人の場合】
→公募申請以降に新たに決算を跨いだ場合、直近の決算書が必要④ 直近の確定申告書(第1表)【個人事業主の場合】
→提出以降に新たに確定申告を跨いだ場合、直近の確定申告書が必要⑤ 青色申告書/白色申告書【個人事業主の場合】
→青色申告書は損益計算書の記載があるページ、白色申告書は収支内訳書の提出が必要。申請時に提出済みの場合は不要。⑥ 見積書・見積依頼書(第3回以降)
→計上している全ての補助対象経費の見積書(交付申請書提出日に有効なもの)
単価 50 万円(税抜き)以上の建物費、機械装置・システム構築費を計上する場合、2者以上の相見積が必要。中古は3者。⑦ 建物費の追加書類
→見積書を取得する際に作成した設計図書、あるいは見積り先から提出された設計図書の提出が必要。
(建物を改修する場合は、見取図の提出でも可)⑧機械装置・システム構築費の追加書類
→見積書のほかに価格の妥当性を証明するパンフレットなどの提出を追加で求められることがある⑨取得財産にかかる誓約書
→第4回採択者様から要提出■要該当者
①交付申請書別紙2
→技術導入費、専門家経費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費を計上する場合②事前着手承認のお知らせメール
→※令和3年10月27日までに申請した場合は、受信日時を確認できるメールデータの提出が必要
※令和3年10月28日以降に申請した場合は、作成日が確認できるJグランツでの通知文書の提出が必要③業者選定理由書
→合理的な理由により相見積書が取得できない場合に提出④海外渡航計画書【参考様式12】、旅費明細書【参考様式13】
→海外旅費を計上する補助事業者は提出が必要以上の様に、交付申請に必要な資料は多く存在しています。
資料のご準備にも時間を要する上、交付申請から交付決定までおおよそ1か月を要するため、迅速に手続きを進めていただくことがおすすめです。 -
「事業再構築補助金」(第6回)の採択結果が発表されました。
弊社では、42件採択、設備投資額12億7,452万円、補助金採択額8億5,519万円でした。
採択されました企業様、おめでとうございます。
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こんにちは、フラッグシップ経営の㮈本です。
残暑が残る時期ですが、朝晩は涼しい日もあり過ごしやすい時期に近づいているように感じます。
今年も残すところ半年を切っており、国の来年度予算が検討されるなど中小企業様にとっても気になる情報がたくさんあると思います。
現段階では、来年度の補助金の規模が同様のものか、縮小になるかがわからない状況であるため、可能な限りものづくり補助金や事業再構築補助金の申請をご検討の事業者様は申請準備を進めていただければと思います。
今回は10月24日(月)に締切のある、ものづくり補助金に対して弊社でご支援させていただいた過去事例をご紹介できればと思います。
ものづくり補助金と聞くと製造業の補助金であり、サービス業や製品を製造していない事業者には、縁のないものだと思われがちです。
しかし、これまでご支援させていただきました事業者様の中には製造業ではない事業者様もおり、今回はその中でも倉庫業の事業者様の事例について簡単に掲載させていただきます。
今回ご紹介する企業は、大型の製品を運ぶことが多く、取引先業者は少ないものの管理体制がアナログですべて手書きの検査票で実施していました。
そのため、担当者によって字が読みづらいことや、手書きの検査票を別の事務員の方がパソコンデータに入力することで誤りが生じるなどのトラブルが発生していました。
そのような課題がある中で、ものづくり補助金では新たに管理システムを導入し、取引先が自社で製造している製品を管理するために使用しているQRコードを連動させるようなシステムを導入しました。
システムを導入し、各作業員が作業完了後にスマホでQRコードを読み取ることで、自社で検査や運搬を行ったかを管理することができるようになり、以前までのミスの要因となっていたご記入や誤入力を改善することができたとともに、作業時間の短縮や納品先からのトラブルにもすぐに対応することができるようになりました。
このように、製品を全く製造していない企業様においても、ものづくり補助金により自社の生産性を高めることができれば、採択となることが可能ですので製造業以外の事業者様でも、ものづくり補助金を利用するチャンスはあります。
自社の導入する設備やシステムが、ものづくり補助金として利用できるかご不明な方はお気軽に弊社へお問い合わせください。
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こんにちは、フラッグシップ経営の橋本です。
事業再構築補助金の第7回締切が9月30日と迫ってきておりますが、2022年8月29日に「事業再構築~虎の巻~」という計画書の書き方説明やビッグデータの分析結果が記載された資料が事業再構築補助金のHPで掲載されました。
先日は、「虎の巻」前編として計画書の流れ等をご説明させていただきましたが、本稿では「計画書における市場の選び方」についてお伝えさせていただきます。
<目次>
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1 採択されやすい市場とは
個人的にもかなり関心を持った内容となっておりますが、事業再構築補助金では新規事業の内容や参入市場によって業種毎に採択率のバラつきがあるようです。
事務局による統計では製造業においてはEV関連や半導体等、市場成長が著しい事業の採択率が高いように見受けられます。
審査項目においても事業の成長性や付加価値に関する項目があるため、やはり拡大が見受けられる市場が採択されやすいようです。
一方でサービス業に目を向けてみると宿泊業においては飲食関連やカフェ等、意外にもコロナ禍でダメージを受けている事業での採択が見受けられます。
一見すると意外な結果ですが、採択事例の計画名を見ると単なる施設やサービス提供ではなく、地域産業への貢献が見込まれる案件が多く、こちらもやはり経済的波及効果など審査項目に沿った計画が採択されているのではないかと思われます。
飲食業に着目するとEC販売や冷凍食品等、コロナ禍において特需が見込まれる市場や無人販売等、感染対策が成された案件が採択されています。また、地産地消等を掲げた地域産業への貢献も採択されております。
業種間でも傾向に偏りはありますが、やはり製造業では成長分野への参入、その他の業種では感染リスクへの対応や地域経済への貢献度が高い案件、コロナ禍での特需に対応した事例等、国が求めている政策的側面に沿った案件が採択されやすい傾向にあるようです。
2 自社はどのような市場を選択すべきか
本稿の前半では採択されやすい市場があるという事実をご紹介させていただきました。
では、採択されるためには採択されやすい市場に寄せた計画書を書くべきなのか?
そうではございません。
ここで、ご注意いただく必要があるのは「自社がその市場において、経営資源を活かしながら差別化を実現していけるのか」です。
こちらは虎の巻でも「落とし穴」として紹介されています。
前回の「虎の巻 前編」でも詳しい計画書の記載方法はご紹介させていただいておりますので割愛させていただきますが、審査員が読んだ際に実現可能で競争優位が実現出来ると判断してもらえる市場選択、つまり自社にあった市場を選択することが重要です。
勿論、統計上は採択の有望度が低いとされている市場であっても自社が差別化等を行い、事業化が可能であると判断されれば採択される可能性は十二分にあります。
このことからも、市場選択の際には①自社が強みを活かして差別化可能なのか、②自社の経営資源で実現可能か、この二点を特に意識していただくことが重要かと思います。
3まとめ
事業再構築補助金「虎の巻」後編では市場の選択方法について解説を行わせていただきました。
市場選択の際には自社の強みを活かして実現可能か、競争優位を実現出来るかを特に意識していただくことが重要です。
是非、「虎の巻」前編も合わせてお読みいただき、採択に繋げていただければと思います。
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※引用:事業再構築補助金Webサイト「事業再構築に向けた事業計画書作成ガイドブック」pdf版
弊社では、事業再構築補助金は勿論、ものづくり補助金のご支援も行わせていただいております。
締切が近づいておりますので、申請をご検討の事業者様はお気軽にお問い合わせください。
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