採択について
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令和元年度・令和二年度補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(5次締切)の採択結果が発表されました。
当社では、9件採択されました。
採択されました企業様の設備投資額合計1.1億円で、補助金額合計6.7千万円でした。採択されました企業様、おめでとうございます。
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フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。
3/17に「事業再構築指針の手引き」が発表されました。
多くの方が当初想定した内容よりも「難しい」「基準が厳しい」と面食らったのではないかと思います。
かくいう私も事前に発表されていたパンフレットでは喫茶店がコーヒー豆の販売をする、居酒屋がテイクアウトを始めるなどの簡単な事例が紹介されていたことに加え、1兆円を超える予算が割かれていたため、もう少しイージーだと思っていました。
ただ、私や当社のメンバーが普段行っているのは、経営改善計画書や事業再生計画書の作成です。
白紙から事業者に勇気を与え、債権者には必ず同意を取る計画書を作成しなければなりませんので、補助金の申請書の作成より遥かに難しいと言えます。
そのため、少し難易度が高いと感じても問題ありません。
なぜなら、補助金の申請書は経営改善計画書や事業再生計画とは異なり、記載すべきポイントや事例が明確になっているからです。
そのことからも採択ポイントをとらえ「書くべきこと」「書く必要がないこと」を整理すれば容易に対処できるでしょう。
今月中には事業再構築補助金の申請書をどのような構成にするのかをまとめ、採択確率が高まる当社オリジナルのテンプレートを作成します。
1社でも多くの事業者様を採択に導きたいと思います。
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フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。
先日、ものづくり補助金の4次締切の結果が出ました。
当社が北海道から九州まで幅広くご支援させていただいた企業様のうち、20社が採択されました。
認定支援機関として20社の採択は全国トップクラスの結果だったと思います。
社員一丸となって取り組んだ成果が目に見える形となって一安心しました。
しかし、あいにく不採択になった案件もございましたので、再度チャレンジされる企業様においては5次締切に申請させていただきました。
当社の強みは普段から経営改善や事業再生を行っている中で、経営改善計画書の作成や経営改善の現場を通じて専門的な知見をもったコンサルタントが補助金の申請書をチェックしているところです。
事業者様とのヒアリングは経験豊富なコンサルタントが同席し、全社員で申請書を作成し、再度申請前にコンサルタントが確認します。
自社で受注し、外部の人間に委託するケースや経験のない士業や専門家が補助金ブームに乗って安易に申請を行い、不採択になるケースが多くなっているとの報告もあります。
補助金の申請をどのような事務所に依頼するかの基準をもつことは事業者様には中々難しいと思いますが、料金が相場とかけ離れていないか、過去の実績や社内体制(例えば1人事務所ではダブルチェックができない)はどうか、補助金以外にどのような仕事をしているかなどを参考にしていただければと思います。
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令和元年度・令和二年度補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(4次締切)の採択結果が発表されました。
当社では、20件採択されました。
採択されました企業様の設備投資額合計2.9億円で、補助金額合計1.6億円でした。採択されました企業様、おめでとうございます。
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皆様、こんにちは。コンサルタントの長尾です。
先日のブログでは、当社がものづくり補助金の申請支援を行って
採択された事例を紹介しました。
今回は、ものづくり補助金の不採択事例についてご紹介します。
~~~不採択だった事例のご紹介~~~
■ 企業の概要
某県に事業所を構えるT社は、主にエンジン関連の自動車部品製造を行っています。
地域では有名な工業地帯に位置しており、周辺には金属製品や自動車関連部品の製造を行う小規模事業者が数多くありました。
T社にとっては競合企業ですが、同じ地域を支える事業者として良好な関係を構築していました。
また、自動車のエンジン関連部品は難加工が多く、T社は熟練した職人の技術力を強みに事業を拡大していきました。
しかし一方で、職人の高齢化や人材不足が大きな課題となっていました。
■ 事業実施の背景(設備投資が必要な理由)
製造業の生産管理には、よくQ(Quality:品質)C(Cost:コスト)D(Delivery:納期)の考え方が用いられます。
T社は、自社の強みを発揮して複雑形状をした製品製造に取り組み、顧客の要望にも柔軟に対応してきました。
しかし、近年では自動車の安全性能の向上や排ガス規制への対応などにより顧客の要望が厳格化してきていました。
特に製品の”精度”については一層の向上が求められており、T社では製品の「検査測定」工程がボトルネックとなっていました。
具体的には、T社では熟練した職人が
マイクロメーターやハイトゲージ、シリンダーゲージ等の複数の測定器具を用いて製品の検査測定を行っていましたが、最近では顧客からRの仮想点・架空点といった測定器具では図ることができない箇所の精度が㎛単位まで求められるようになっていました。
T社ではこのような検査測定が不可能なため外部や元請け企業に検査工程を依頼せざるを得ず、コストが発生する上にリードタイムの長期化に繋がってしまいました。
今後も顧客の要望に応え事業を拡大していくためには検査工程の刷新が必要不可欠であったためものづくり補助金を活用して「高精度測定機」を導入することにしました。
■ 設備投資の内容
高精度測定機 税別680万円
■事業計画の概要とポイント
T社の位置する工業地帯では、高精度測定機を導入している事業者が非常に少なく今回の設備投資は、同業社と大きな差別化を図ることが期待できました。
一方で、近隣の事業者においても顧客からの要望厳格化の流れが大きくなっておりT社は自社で高精度測定を実現することで、将来的には同地域の小規模事業者の検査工程を請け負い地域全体の底上げに繋げたいというおもいを持っていました。
そこで、設備投資による製造工程の変化やリードタイムの短縮など期待される効果を一覧化してBefore→Afterを明確に示した事業計画を作成するとともに将来展望として同地域の小規模事業者と協力体制を構築することを計画に記載しました。
また、電気自動車の台頭などにより業界全体は厳しい状況にあるものの
更なる難加工や異素材による高精度製品の製造にも取り組むことで
積極的に事業を展開していく、という計画を作成し申請を行いました。
■不採択になった理由
ものづくり補助金が不採択だった場合、地域の中央会に問い合わせれば審査を行った審査員のコメントを聞くことが出来ます。
T社では、主に以下のようなコメントが寄せられました。
(以下はコメントの一部です。少し表現は変えています。)
・リードタイム短縮による生産性の向上は期待できる
・技術的に真新しいとは言えず、革新的とは言えない
・想定されるマーケットの認識や評価が曖昧 など
審査員は、公募要領に記載されている「審査項目」を基準に審査を行います。
技術面、事業化面、政策面といった切り口がありますがT社においては、技術面、事業化面における評価が低かったということになります。
確かに、設備投資によってリードタイムが短縮するためT社の生産性向上は期待できます。
しかしこれはT社に限ったことではなく同じ測定機を導入すれば他の企業でも同様の効果を見込めます。
ものづくり補助金の申請要件には
「革新的な試作品・サービス開発や生産プロセスの改善」とありますので、
同業他社には出来ないT社ならではの工夫、取り組みでなければいけません。
先日のブログでご紹介したH社では、導入する設備は同じ「測定機」でしたが、
設備導入後は、自社の強みを活かしてこれまでにない新たな加工方法の確立へ取り組む、と言う内容でした。
(H社は技術面において評価された、ということになります、)
また、将来的にどのようなマーケットへ展開していくのか、については
T社の経営者様へヒアリングを行っていましたが、「どこに攻めるか・・・あまり思い浮かばないなあ。既存の対応で精一杯かなあ。」という回答であり、経営者自身もはっきりとは見出せていない状況でした。
そのため、想定されるマーケットや業界について記載はしたものの
やはり具体性に乏しく、審査員には痛いところを突かれてしまった、という結果でした。
■さいごに
ものづくり補助金は競争率が高いため、単に要件を満たしている、というだけでは採択は難しくなります。
設備投資によって実施したい事業が補助金の趣旨(革新的な開発で生産性向上に資する)と合致していること、そしてそれを客観的に伝えられることが必要不可欠です。
T社の経営者様には、契約前の段階で一度ヒアリングを行っており
「革新性を強く訴求できないため、厳しい戦いになります。」
とは事前に伝えていましたが、それでも挑戦したいというお話を伺い、申請支援を行いました。
申請支援を行う専門家として力が及ばなかったことに悔しさを感じますが、
事業者に対しては、事前にリスクや懸念点を伝えておくことは必要であると感じています。
当社では、基本的に厳しいと思われる案件であっても依頼をお受けしますが、
(対応できる案件数には限界があります・・・)
補助金を活用する場合には、
その制度の趣旨や目的に沿った内容であるかを確認することをお勧めします。
趣旨に合っているかが分からない、不安だという場合にはぜひ一度、お問い合わせください。
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